再エネ・技術

豪脱炭素新興MCi、CO2使いコンクリ原料

日本経済新聞 2026-06-29
オーストラリアの脱炭素スタートアップがCO2を利用したコンクリート原料の技術開発を進めている

専門家の視点

CO2をコンクリート原料に固定する技術自体は既に複数のスタートアップが競争しており、実証段階から商用化への移行が業界全体の課題です。MCi社がどの鉱物化プロセス(炭酸塩化反応の速度・純度・コスト)で差別化しているかが本質的に重要ですが、記事からは技術の実体(エネルギー投入量・CO2吸収率・圧縮強度・採算性)が具体的に示されていません。物語として「脱炭素新興」「CO2を利用」というポジティブなフレーミングは成立しているものの、実体が翻訳されていない状態です。ここで隠れた前提は「CO2鉱物化は建設需要にマッチする」ですが、実際にはコンクリートのCO2吸収量は排出量の数%に留まり、完全なカーボンネガティブ建材にはならないという物理制約があります。期待先行の局面にあり、投資家やメディアが「CO2利用=脱炭素」と短絡しやすい一方、実体としてのCO2削減貢献度は限定的です。日本企業やGX人材への示唆としては、CCUS技術の「固定量」と「固定コスト」のバランスを緻密に評価しないと、物語だけが先行するリスクがあるということです。

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