再エネ・技術

JERA、国内最大の石炭火力でアンモニア発電 混焼率6割で脱炭素へ

日本経済新聞 2026-07-01
JERAが国内最大の石炭火力発電所でアンモニア混焼率6割による発電を開始し、脱炭素を目指す取り組みを報じている。

専門家の視点

この取り組みの構造的な課題は「物語先行」と「実体欠落」の複合です。アンモニア混焼はCO2排出削減につながりますが、混焼率6割でも完全なゼロにはならず、アンモニア製造時に天然ガスから水素を生成する過程でCO2が排出されるため、ライフサイクル全体での削減効果は限定的です。また、アンモニアの調達量や供給網の整備、燃料価格の競争力といった実行レイヤーが具体化されていません。実体としては、現在の石炭火力発電所の転換には既存設備の大規模改修と、年間数百万トン規模のアンモニア安定調達が不可避であり、2023年時点で世界のアンモニア生産量の数%に相当する需要を見込むことになります。ここに「脱炭素」という物語と「設備転換に巨額投資が必要」という現実のズレがあります。時間軸で見れば、水素コスト低減やCCUSの実用化が2030年以降と想定される中、アンモニア混焼はあくまで過渡的な技術に過ぎません。隠れた前提は「アンモニアをクリーン燃料と見なすこと」ですが、製造工程の脱炭素化が達成されなければ、排出源の移動に過ぎないという点を直視すべきです。

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