企業動向

日本製鉄・JFE、長期戦の電炉転換 CO2は1/4も鉄価格4割高

2026-07-04
日本製鉄とJFEスチールが電炉転換を進め、CO2を4分の1に削減する一方、鉄価格が4割上昇する見通しを伝える記事。

専門家の視点

鉄鋼業のCO2排出は国内産業の4割を占めるという実体がある一方で、電炉転換による低CO2化と鉄価格4割上昇という二つの事実は、脱炭素の物語に「コストの壁」という見落とされがちな現実を突きつけています。ここでの構造は「実体が翻訳されていない」と言えるでしょう。つまり、電炉は技術的には確立しておりCO2を1/4に減らせますが、その製品価格が建築や自動車など川下産業の購買行動を変えるほどに跳ね上がるという現実が、一般市場や政策の議論ではまだ十分に織り込まれていません。誰がこのコストを受け止めるのか、実行レイヤーが曖昧なまま「脱炭素=善」という物語だけが先行している状態です。また、記事ではスクラップ品質や安定供給という別の実体的制約も背景にありますが、価格の説明だけでは技術とマーケットの断絶が隠れてしまう危険があります。日本企業のGX戦略として注目すべきは、単に電炉比率を増やすではなく、鉄価格40%増を前提にした新しいサプライチェーンの設計と、それを政策支援で緩和するか否かの判断です。

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