企業動向

【日本】農水省、「みえるらべる」で主な国際基準との整合性確認。スコープ3活用でのお墨付き

2026-07-02
農水省が「みえるらべる」について主な国際基準との整合性を確認し、スコープ3での活用が可能になった。

専門家の視点

農業由来の温室効果ガス削減は、食料安全保障とトレードオフになりがちな分野です。今回の「みえるらべる」の国際基準との整合性確認は、実体として確かな制度整備の一歩です。しかし、焦点は別のところにあります。 このラベルの核心は、算定範囲をスコープ3まで拡張した点です。これにより、肥料や飼料の製造、輸送段階での排出も可視化できます。しかし、実体としての最大の難所は、一次生産者である農家がこの算定を実行できるかどうかです。制度は先行しても、現場のデータ収集や算定負担が重すぎれば、ラベル自体が普及せず、国際市場で「日本産はデータがない」という扱いを受けるリスクが顕在化します。 ここに「期待先行」のズレがあります。国際基準との整合は取れたが、誰がどのコストで実行するのかという実行レイヤーがまだ明確ではありません。隠れた前提は「農家が経営負担としてこのラベル取得を進んで受け入れる」という点です。実際には、人手不足とコスト増に直面する現場への導入インセンティブ設計が不十分なら、制度は絵に描いた餅になります。 農水省の発表が示す構造は、「物語先走り」に近い。

農林水産省は7月1日、農業での環境フットプリントに関する任意ラベル制度「みえるらべる」について、主な国際基準等との整合性を確認したと発表した。農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドラインの別冊文書初版を公表した。 【参考】【日本】農水省、「見える化」三つ星ラベル制度の本格運用開始。ガイドライン完成(2024年3月5日) 同省は今回、農産物の農地レベルの温室効果ガス排出量の算定・表示の基準やルール等について、「LCA共通ルール」「個別産業・製品ルール」「企業による算定・連携標準」「企業による情報開示」の4段階で整理した。 その上で、GHGプロトコル、WBCSD(持続可能な開発のための経済人会議)のPACT基準、ISO14021:環境ラベル及び宣言ー自己宣言による環境主張(タイプII環境ラベリング)、SSBJ基準、国連食糧農業機関(FAO)LEAPガイドライン、国際酪農連盟(IDF)ガイドラインの6つについて、整合していることを確認した。これにより、みえるらべるで収集した農地や畜産場の排出量データをスコープ3のカテゴリー1データとして活用できることの質が確保された。 農林水産省は7月2日、今回確認した整合性を含め「みえるらべる」の概要や手法を経済協力開発機構(OECD)が主催した特別ウェビナーで説明。各国政府や専門家から大きな関心が寄せられた。 【参照ページ】農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドライン別冊(主な国際基準等との整合性)Ver.1.0 ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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