制度・政策

【日本】環境省、「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」参考資料発行

2026-07-03
環境省がサプライチェーンの環境デューデリジェンスに関する参考資料「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」を発行した。

専門家の視点

環境省が発行した「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」参考資料は、企業にサプライチェーン全体での環境リスク把握と是正を促す制度設計の一環です。実体として、2025年度からの環境DD導入が迫る中、現時点では大半の企業が情報収集体制や取引先とのエンゲージメント手法を確立できていません。この資料は「物語」としては適切な手順を示していますが、誰が実行するのかという実行レイヤーが不明瞭です。特に中小企業には、コスト・人材不足から実践が難しく、大企業と中小企業の間で対応格差が拡大するリスクがあります。 ここでの隠れた前提は「企業が自主的に取り組めば、サプライチェーン全体の環境リスクは低減できる」という考えです。しかし現実には、グローバルなサプライチェーンにおいて情報非対称性や法制度の違いが大きく、単一企業の努力だけでは限界があります。期待先行の状態で、規制導入前に企業は「やらされている感」に陥り、実効性が伴わない形式的なDDに終わる可能性が高いです。 次に見るべきは、資料が示す「実践」が、中小企業への支援策や透明性の高い報告義務とどう結合されるかです。

環境省は6月30日、サプライチェーンの環境デューデリジェンス参考資料として「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」を発行した。 同省は、2025年度に環境デュー・ディリジェンス推進支援事業を実施し、公募の上、豊田通商、NEC、三井住友建設の3社が選定。「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」やEUの企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)の要件を踏まえて、バリューチェーンにおける環境への負の影響・リスクの特定・評価、方針、施策・実行計画の検討等、環境DDに関する取組を支援していた。 今回の資料は、同支援事業の結果も踏まえ、「負の影響・リスクの特定・評価」「環境マネジメントシステムとの統合」「苦情処理の仕組みと是正・救済措置」の3つのポイントを整理している。その中で重要なポイントとして、実務的には環境DDプロセスの中でも「負の影響・リスクの特定・評価」から始めることも有効であることと、完璧な把握を前提とせず、仮説に基づく重要な領域から段階的に進めることが重要であることを挙げている。 【参照ページ】「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」の公表について ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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