再エネ・技術

(光る現場) 碧南火力で脱炭素化探る JERA、アンモニア発電

2026-07-03
JERAが碧南火力発電所でアンモニア混焼率60%を目指す実証に取り組み、脱炭素化を探る動きを報じている

専門家の視点

JERAの碧南火力でアンモニア混焼率60%を目指す実証は、既存火力インフラを活用しながらCO₂削減を図る現実的な選択肢です。しかし、ここには大きな構造的なずれがあります。実体として、アンモニアの製造時CO₂排出や供給網の未整備、そして混焼によるNOx排出増加といった技術的課題が明確に存在します。一方、物語としては「水素キャリアとしてのアンモニア」が脱炭素の切り札としてフレーミングされていますが、実証規模と商用化の間にあるコスト・エネルギー収支・環境負荷の転嫁が十分に語られていません。期待は政策と市場の双方で先行しており、政府の水素基本戦略やJERAのロードマップは熱量が高いものの、実行レイヤーであるサプライチェーン構築や規制対応の具体化が遅れています。隠れた前提は「アンモニアが実質的にカーボンニュートラル燃料とみなせる」という点です。実際には製造プロセス由来の排出をゼロとするにはブルー・グリーンアンモニアへの転換が不可欠であり、そのコストとスケールが現実を左右します。この実証は、技術の可能性と社会的受容性のギャップを埋める試金石ですが、現時点では期待先行のリスクを抱えています。

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