中国、2030年までに新エネルギー体系構築へ 再生可能エネルギーを電力供給の主力に
専門家の視点
中国の「2030年までに新エネルギー体系構築」は、壮大なビジョンと具体的な数値目標を両輪に据えていますが、実体と物語の間に構造的なズレがあります。非化石エネルギー発電量50%や風力・太陽光の設備容量50%超といった目標は野心的である一方、同時に石炭消費ピークアウトを「目指す」と曖昧に留め、既存化石燃料生産の最適化と多様な輸入ルート確保を併記しています。ここで隠れた前提は「再生可能エネルギーの急速な拡大と、エネルギー安全保障を両立する制度・技術が同時に成熟する」という楽観的な時間軸です。しかし、現実には膨大な風力・太陽光電源を安定して系統に統合するための送配電網増強や蓄電設備の整備は、2030年までの短期間で完了できるのか、確実な裏付けが不足しています。また、計画の実行主体は中央と地方政府、国有電力企業であり、その間の執行力やインセンティブの非対称性がしばしば障害になります。物語は壮大で期待を集めやすいものの、実体としての送電網工事の遅延や、地域ごとの石炭火力の稼働継続圧力が潜んでいます。世界最大の再エネ設備容量を持つ中国だからこそ、この「物語先走り」のリスクは看過できません。
6月25日、中国国家発展改革委員会(NDRC)と国家能源局(NEA)は2030年までに「クリーンで低炭素、安全かつ効率的な新エネルギーシステム」を基本的に構築する方針を示した。新たに公表された計画では、エネルギー安全保障の強化と脱炭素化の推進を両立させながら、再生可能エネルギーの拡大や技術自立、市場改革を進めるとしている。 計画は2026年から2030年までの第15次五カ年計画期間を対象としており、中国のエネルギー政策の方向性を示すものとなる。 計画によると、中国の総エネルギー生産能力は2030年までに標準石炭換算で58億トンに達する見通しだ。また、電力システムの安定供給能力や災害対応能力を強化し、電力需給の安定性向上を図るとしている。 再生可能エネルギーの拡大も重要な柱となる。2030年までに非化石エネルギーの割合を一次エネルギー消費全体の25%まで引き上げるほか、風力発電と太陽光発電の設備容量を総発電設備容量の50%超に拡大し、発電設備の中心的な存在とする目標を掲げた。 さらに、非化石エネルギーによる発電量を総発電量の50%まで高め、電力供給の主力電源とする方針も示された。これに伴い、送配電網や蓄電設備などを含む次世代型エネルギーインフラの整備を加速し、2030年までに新たな電力システムをほぼ完成させるとしている。 一方で、化石燃料の利用については、石炭および石油消費量のピークアウトを目指す方針を明記した。ただし、エネルギー安全保障の観点から、既存の化石燃料生産拠点の最適化や、多様なエネルギー輸入ルートの確保も継続する考えを示している。 中国はこれまでに「2030年までの二酸化炭素排出量ピークアウト」と「2060年までのカーボンニュートラル達成」という「双炭素目標(Dual Carbon Goals)」を掲げている。近年は再生可能エネルギーへの投資を拡大しており、政府によれば、中国は世界最大規模の再生可能エネルギー設備を保有する国となっている。 原文:China targets clean, low-carbon new energy system by 2030日本語参考訳:中国は2030年までにクリーンで低炭素な新エネルギーシステムの構築を目指す ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!国際的な動向からも気候変動への対応や開示の高度化が進んでいます。ぜひこの機会に自社の実務対応を再確認してください。🌍気候変動開示への対応に関連する実務解説はこちら>>> ✅それぞれの制度の概要を比較✅両制度の共通点と活用方法 ✅ISO14001における変更点の全体像✅対応ポイント「今からできる」4つの行動の解説 ✅SSBJ実務対応案で示されている方向性✅今から企業が準備できる開示準備のポイント
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