ESG・金融

ISSB、自然関連情報開示の指針案を10月公表へ TNFDを基盤に国際基準との整合性強化

2026-07-02
ISSBがTNFDを基盤とした自然関連情報開示の指針案を10月に公表する方針を明らかにした。

専門家の視点

自然関連情報開示の国際基準づくりは、TNFDを基盤にISSBが2026年10月の指針案公表へと動き出しました。ここでの実体は、あくまで強制力のないプラクティス・ステートメントであり、将来的な正式基準の布石に過ぎません。一方で物語は「国際基準との整合性強化」と未来志向にフレーミングされ、期待として市場や規制当局の関心は高まっています。しかし、肝心の「企業が自然関連リスクを測定・開示できるデータ基盤や評価手法」はまだ実装途上であり、気候開示以上に困難が伴います。このズレは典型的な物語先走りです。指針案が公表される2026年までに、企業は自然資本の依存・影響を定量化する内部プロセスを構築できるかが真の試練です。時間軸と実行レイヤーの欠落を埋める具体的な対応なくして、整合性は絵に描いた餅に終わります。

6月29日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のスー・ロイド副議長はロンドンで開催されたIFRS財団カンファレンスで、企業の自然関連リスクや機会に関する情報開示を支援する新たな指針案の概要を明らかにした。ISSBは2026年10月に公開草案(Exposure Draft)を公表する予定で、自然関連情報開示の国際的な整合性向上を目指す。 ISSBは昨年、サステナビリティ関連財務情報の開示基準であるIFRS S1および気候関連開示基準のIFRS S2を公表し、各国・地域で導入が進められている。今回の取り組みは、これらの基準を補完する形で、自然関連のリスクおよび機会に関する情報開示を支援することを目的としている。 新たな文書は、強制力を持つ会計基準ではなく「プラクティス・ステートメント(Practice Statement)」として策定される予定である。企業は自主的に活用することができる一方、各国・地域の規制当局が導入を義務付けることも可能となる。 ISSBによると、提案内容は自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が策定したフレームワークを基礎としている。TNFDは企業や金融機関に対し、自然環境への依存や影響、自然資本の損失がもたらすリスクや機会の開示を促す国際的な枠組みとして注目を集めている。 ISSBは、今回のプラクティス・ステートメントが将来的な正式基準策定への基盤となる可能性も示している。ただし現時点では、世界各国で進むIFRSサステナビリティ基準の導入を妨げないことを優先し、柔軟な指針として提示する方針である。 原文:Sue Lloyd previews nature-related disclosure proposals at IFRS Foundation Conference ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!国内外においてサステナビリティ開示の高度化や制度化が進みつつあります。ぜひこの機会に自社の実務対応を再確認してください。🌍開示基準、保証など制度への対応に関連する実務ガイドはこちら>>> ✅既存の気候開示の活用について解説✅準備段階から開示の実践までフェーズごとの実施事項を整理 ✅サステナビリティ情報の接続を解説✅つながりの「パターン」ごとに開示実践ポイントを整理 ✅SSBJ基準における第三者保証とは✅今から企業が準備できる開示準備のポイント

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