出光社長「従来目標、挑戦的だった」 30年度GHG削減修正
出光興産社長が従来の2030年度GHG削減目標は「挑戦的だった」と認め、修正が必要との考えを示した。
専門家の視点
出光興産の社長が掲げた「従来目標は挑戦的だった」という発言は、業界全体が抱える実体と物語のズレを象徴しています。実体として、石油精製業の排出削減は技術的に容易ではなく、水素やCCSなどの導入には巨額の投資と長いリードタイムが不可欠です。にもかかわらず、これまで業界は「30年度に何割削減」という整合性が検証されにくいコミットメントを並べてきました。今回の発言は、物語先走りの修正と見るのが妥当です。酒井社長の「一足飛びにはいかない」という認識は率直ですが、問題はこの「修正」が単なる後退なのか、実体に基づいた現実的な経路への切り替えなのかが、発言だけでは判別できない点です。ここで問うべきは「誰が代替技術を実行レイヤーで回すのか」という構造論点です。制度は導入されても、CCSの貯留層評価や水素サプライチェーン構築を担う人材・事業リスクを取る組織は日本に十分あるのか。現時点では、実体が物語に追いついておらず、期待先行の環境が続いています。