コーセー南ア工場にグリーン水素初搬入〈動画〉
コーセーの南アフリカ工場にグリーン水素が初めて搬入された
専門家の視点
コーセーの南アフリカ工場へのグリーン水素初搬入という事実は、同社の脱炭素戦略における「実体」として確かな一歩です。しかし、この動きが持つ構造的な意味は、単なる燃料転換の成功例にとどまりません。注目すべきは、グリーン水素の供給源やサプライチェーン全体の経済合理性が記事からは見えてこない点です。つまり、「実体」としてのグリーン水素の調達コストや安定供給の見通しが不透明なまま、まずは「物語」としての先進的な取り組みが先行している構造が浮かび上がります。このズレは「物語先走り」の典型であり、企業のPRとしての効果はあっても、GXの本質である大規模かつ持続可能なシステムへの接続性が欠けています。また、南アフリカという地域の再生可能エネルギー賦存量を前提とすれば、工場単体のカーボンフットプリント削減は期待できますが、その水素が現地の電力グリッド全体の脱炭素にどの程度貢献するのかという視点が抜け落ちています。故に、この記事の隠れた前提は「グリーン水素を調達すれば自動的にGXが進む」という点です。