IHIなど7社=インド産クリーンアンモニアを国内供給、2030年度から
専門家の視点
インド産クリーンアンモニアのサプライチェーンは、2030年度という起点を設定しながらも、現在の実体は計画の前段階にあります。具体的な供給量やCO2削減効果、価格差補助の単価といった測定可能な数値が示されておらず、実体がまだ固まっていない状態です。一方で、7社という多業種連携と水素社会推進法の認定という制度の裏付けがあるため、物語としては「再エネ大国インドから低炭素燃料を長期調達する」という説得力を持ちます。しかし、この物語の隠れた前提は「インド側の再エネ発電とアンモニア製造が計画通りに稼働する」「価格差補助が継続的に予算化される」という二点であり、これらは地政学リスクや日本の財政制約に依存するため、実体と物語の間に構造的なズレが潜んでいます。このズレは、実行レイヤーが2030年までの6年間でサプライチェーン全体の技術実証・資金調達・許認可を完了できるかどうかに収束します。期待先行の構造です。次の観測点は、インド側のACMEグループが2026年までにどれだけ建設許可と資金調達を確定させるかです。
IHIなど7社は6月30日、インド産の低炭素アンモニアを日本で利用するサプライチェーン構築計画が、水素社会推進法に基づく価格差支援制度の認定を取得したと発表した。2030年度から国内でアンモニアの供給・利用網を構築する。 参画するのは、IHI、コベルコパワー神戸、住友化学、日本甜菜製糖、北海道電力、三菱ガス化学、UBE。IHIがインドの再生可能エネルギー大手であるACMEグループと同国東部オディシャ州で開発するクリーンアンモニアを引き取り、各社に供給する。各社は発電燃料や化学品原料などとして利用する。価格差支援制度とは、低炭素水素やアンモニアと既存の燃料・原料との価格差を補助する仕組み。認定事業者は、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から交付決定を受けることで助成金を受給できる。
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