天然水素調達探る…三菱ガス化学、グリーンメタノール製造
専門家の視点
天然水素は地中で自然発生する未実証の資源であり、試掘井で実際に取り出せるかどうかは2026年後半の予備調査を待つ状態です。三菱ガス化学はメタノールプラットフォームの水素調達源として期待をかけますが、技術的にも経済的にも実証済みのグリーン水素とはリスクの質が異なります。 この記事の構造は「物語先走り」です。天然水素という希少な資源が安定的に採れ、低コストでグリーンメタノール製造につながるというビジョンは示されていますが、現状の実体は試掘前の基本合意に過ぎません。再生可能電力やCCSとの組み合わせも含め、事業性評価の段階的プロセス自体は妥当ですが、その成否を左右する地質学的・採掘リスクの説明が不足しています。 隠れた前提を問い直せば、天然水素が「調達先の可能性を広げる」という表現は、本来は再生可能エネルギー由来のグリーン水素と競合する位置づけのはずが、まるで補完的な選択肢のように描かれている点です。
三菱ガス化学は豪州ゴールド・ハイドロジェン(ブリスベン)と、南オーストラリア州ヨーク半島でのグリーンメタノール製造の事業性評価を目的とした基本合意書を結んだ。ゴールド・ハイドロジェンが進めるプロジェクトから供給が見込まれる天然水素を中核に、同地域の資源や再生可能電力などを活用したグリーンメタノール製造の、段階的な事業性評価の実施を目指す。三菱ガス化学は2025年7月にゴールド・ハイドロジェンへの出資を公表していた。 合意書に基づき、ゴールド・ハイドロジェンが天然水素試掘井(試験的に掘る井戸)で実際に水素を取り出し、その状態などを確認。 進捗(しんちょく)に合わせて26年後半に、取り出した水素を用いたグリーンメタノール製造が可能か否かを見極める予備的調査を開始する。 三菱ガス化学は排出二酸化炭素(CO2)や廃プラ、バイオマスなどからメタノールを製造し、燃料や素材、化学品として供給してメタノールを起点とした炭素循環を実現するプラットフォームを推進している。 その際にネックとなるグリーン水素の調達先の可能性を広げるべく、ゴールド・ハイドロジェンとの関係を強める。
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