制度・政策

【イギリス】政府、違法森林破壊対策を強化。農産品・木材供給網のデューデリ義務化へ

2026-06-29
イギリス政府が違法森林破壊対策を強化し、農産品・木材供給網のデューデリジェンス義務化を発表した。

専門家の視点

英政府が違法森林破壊対策として農産品・木材のサプライチェーンデューデリジェンスを義務化する方針を打ち出しました。これは、EUの森林破壊規制(EUDR)と方向性を同じくする「物語」としては整合的な措置です。しかし、構造的に見ると「実体」と「物語」の間に明確なズレが存在します。第一に、英国はすでにEUを離脱しており、規制の実効性は自国の執行能力と市場規模に依存します。EUDRが域内市場の規模を背景に強制力を持つ一方、英国単独の規制ではサプライチェーンの転換を促す圧力が相対的に弱い可能性があります。第二に、貿易相手国での違法伐採をどう定義し、どのように検証するのかという制度設計の具体性が不明瞭です。現時点では「方針」であり、実体としてのKPIや罰則、執行体制が欠落した「物語先走り」の構造と言わざるを得ません。また、この規制が農産品と木材の双方を対象とする点は、熱帯林減少の主要因である大豆やパーム油の取引に影響を与える可能性がありますが、英国市場のシェアが限られるため、グローバルな森林減少へのインパクトは限定的です。次の観測点は、この規制に「誰が実行するのか」という執行レイヤーです。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る