東電PG、あす組織改編/「地域経営」実現へ
東京電力パワーグリッドが組織改編を行い、地域活性化や脱炭素といった地域課題の解決に経営資源を充てる方針を明らかにした。
専門家の視点
東京電力パワーグリッドが組織改編で「地域経営」を掲げる構造は、物語と実体の間にズレが生じています。物語としては、支社機能の集約で捻出した資源を地域課題や脱炭素に振り向けるという方向性を示しています。しかし実体として、送配電会社が実行できる地域活性化や脱炭素の手段は、系統運用やインフラ整備といった既存業務の範囲に本質的に制約されます。地域と共に解決するという物語は美しいですが、具体的なKPIやどの程度の資源が本当に新規対応に回るのか、検証可能な数字が欠けている点が問題です。 特に「誰が実行するのか」という実行レイヤーが不明瞭です。支社の現場が担うのか、本店が指揮するのか、もしくは自治体や事業者との共創体制を自ら構築するのかが示されていません。物語は走っているが実体が追いつかない「物語先走り」の構造と見るべきでしょう。 隠れた前提は、送配電会社が地域経営の主体として自治体や地元企業より適任だという点です。系統運用の公平性や中立性が必要なインフラ事業者が、特定地域の活性化を積極的に推進する役割を担う際、利害調整の難しさは無視できません。