再エネ・技術

令和8年度「コスト競争力強化を図る再エネ等由来水素サプライチェーンモデル構築・実証事業」の ...

2026-06-30
環境省が令和8年度に実施する再エネ由来水素のサプライチェーンモデル構築・実証事業の公募を発表した。

専門家の視点

水素サプライチェーンの実証事業において、実体と物語の間に明確なズレが生じています。実体面では、再エネ由来水素のコスト競争力を2030年度までに化石燃料並みにするという目標が掲げられていますが、現状のグリーン水素製造コストは1kgあたり数百円から千円超とされ、目標の30円台(天然ガス相当)への到達には技術革新と大規模なインフラ投資が不可欠です。物語は「コスト競争力強化」を前面に押し出しますが、実証段階でどのようなコスト低減メカニズムを想定しているのか、また2030年度以降のKPIや撤退基準が不明瞭です。このため期待先行の構造が強く、投資家や事業者の間では「実証が成功しても商業化は遠い」という冷めた見方が広がるリスクがあります。隠れた前提は「水素サプライチェーン全体が一気通貫で最適化される」という点です。実際には生産・輸送・貯蔵・利用の各段階で非連続な技術課題が存在し、どのレイヤーが主導権を握るのか明確ではありません。次の観測点は、本事業で選定される具体的な実証地域と、パートナー企業の実行体制です。補助金交付後の進捗管理が甘ければ、物語だけが肥大する典型例になります。

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