豪脱炭素新興MCi、CO2使いコンクリ原料 日本の商社・銀行が出資
オーストラリアの脱炭素新興MCiカーボンがCO2を活用したコンクリート原料製造の実証プラントを立ち上げ、日本の商社・銀行が出資した。
専門家の視点
CO2をコンクリート原料に固定化する技術は、実体として実証プラントが稼働したという測定可能な前進です。しかし、豪新興企業の技術を日本の商社・銀行が支援する構図は、物語と期待の間に構造的なズレをはらんでいます。物語は「CO2鉱物化による建設分野の脱炭素」ですが、肝心のCO2がどこから供給されるのか、実証規模から商業規模へのスケールアップに必要なエネルギー量とコスト、そして炭素固定の永続性に関する検証KPIが示されていません。期待先行の構造です。投資家レイヤーは「CO2削減価値」への期待で資金を投じていますが、排出権クレジットとしての認証や、建材としての強度・耐久性の長期実績が不足している現実があります。隠れた前提は「CO2の鉱物化は安定した永久固定である」という点です。実際には、鉱物化の工程そのものでCO2を再放出するリスクや、生成物の長期安定性を第三者検証したデータは限定的です。次の観測点は、この実証プラントが年間どれだけのCO2を処理し、そのCO2源を誰が保証するのかという点です。