企業動向

[GXグローバル]中国 農業脱炭素化の法典化 市場と“両輪”戦略で 地球環境戦略研究機関主任研究員 金振氏

日本農業新聞 2026-06-28
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。

専門家の視点

中国は農業脱炭素化を「法典化」と「市場メカニズム」の二本柱で進めています。この戦略の構造を整理すると、実体としては中国農業が世界最大の温室効果ガス排出源の一つであるという逃れられない現実があります。物語としては、「法典による強制力」と「市場によるインセンティブ」を両輪とする説明が提示されていますが、この二つは本来緊張関係にあります。法典は一律の基準を課す一方、市場は柔軟な取引を促すからです。このズレを調整する制度設計が、実際の効果を左右する核心です。 期待のレイヤーでは、中国の政策実行力への過度な期待が先行しがちです。しかし、農業分野における排出削減は、工業と違い数多くの小規模生産者が対象であり、法典の実効性を担保する人材・監視体制が追いついているかという実行レイヤーの問いが本質です。何よりも、記事が当然としている「法典と市場の両輪」という前提を問い直す必要があります。両輪は同時に回すと摩擦を生むため、むしろどちらを主軸にするかの選択が不可避です。 この記事の構造は、政策ビジョンは壮大だが現場執行の実体が追いつかない「物語先走り」の典型例です。

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