米中が世界の脱炭素促す皮肉 シニア・トレード・ライター アラン・ビーティー
米中の姿勢が世界の脱炭素を促す皮肉な状況を報じ、EUの排出量取引制度を例に国際的な脱炭素ルールについて解説している。
専門家の視点
米中両国が世界の脱炭素を事実上主導する構造は、皮肉と表現される通り、物語と実体の間に大きなズレを抱えています。トランプ前大統領が仕掛けた攻撃が逆に脱炭素を加速させるという語りは、短期的な政治的反発から生まれた期待に過ぎません。実体として、米国の政策は大統領交代ごとに反転する不安定性を抱え、中国の排出量は依然として世界最多であり、両国の国内実績は物語が描くほど整合していません。EUは2005年から排出量取引制度を先行導入しましたが、域内の制度だけでは世界全体の排出削減に直結せず、実行レイヤーは各国の国内規制と産業政策に分散しています。 この記事が当然としている前提は、「大国が主導すれば世界の脱炭素が進む」という構図です。しかし現実には、気候変動の時間軸は大統領任期や経済サイクルより長く、大国間の政策が同期しない限り、削減曲線はなだらかにならざるを得ません。ここにあるのは、物語先走りと実体欠落の併存構造です。脱炭素の原動力が大国のリーダーシップではなく、規制コストや技術コストの非対称性という経済合理性にシフトしている事実に向き合う必要があります。
一次ソース
- https://nikkei.go.link/article/DGKKZO97174700W6A620C2TCS000?adj_t=1lssb67q&adj_campaign=article
- https://regist.nikkei.com/r123?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGKKZO97174700W6A620C2TCS000&n_cid=DSPRM1AR07
- https://regist.nikkei.com/r123?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGKKZO97174700W6A620C2TCS000&n_cid=DSPRM1AR07#free