再エネ・技術

中国に負けられない水素技術 トヨタなどが推進する「大動脈構想」の意義

2026-06-28
日本企業が中国に競争力で遅れを取る懸念がある水素技術について、トヨタなどが推進する大動脈構想の意義を解説する記事。

専門家の視点

日本企業が水素技術で世界をリードしながら、ビジネス化の壁に直面している現実が浮かび上がります。実体としては、旭化成や東レ、トヨタ、川崎重工などが高品質な技術を持っている一方、国内需要の停滞と価格の悪循環が解消されていません。ここに見えるのは、技術という「実体」と、官民連携で勝ち筋を作るという「物語」の間に存在する実行レイヤーの欠落です。会議の立ち上げ自体は意味がありますが、過去の太陽光や電池の失敗を「教訓」と言い換えただけでは、誰がいつどの規模で水素を購入し、インフラを整備するのかという具体的な行動計画が見えません。隠れた前提は「技術リードさえ維持すれば市場を奪還できる」という楽観です。しかし、中国は技術の量産とコスト競争力で先行しており、価格差が需要を生む現実が待っています。この構想の成否は、技術の優位性を需要創出に翻訳する制度設計と、投資回収の時間軸を企業に示せるかにかかっています。構造のズレの本質は、技術とビジネスの間に橋を架ける具体的な主体と行動計画が不十分な点です。

技術で勝っていながらビジネスで負けて、市場の主導権を中国に握られる。リチウムイオン電池や太陽光パネルで日本が陥った構図が繰り返されてしまうのか、瀬戸際の分野がある。脱炭素社会の実現に欠かせない水素技術だ。その水素を巡り、トヨタ自動車や川崎重工業などの民間企業と政府が4日、利用推進を目指す「水素大動脈構想実現会議」を立ち上げた。過去の失敗を教訓に水素技術の勝ち筋をつくる官民連携だ。 水素は、二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーとして将来の市場拡大が見込まれており、旭化成や三菱重工業などが手掛ける水素製造の水電解装置、東レの水電解質膜、トヨタやホンダの燃料電池車(FCV)、川崎重工の水素運搬船をはじめ、日本企業には世界をリードできる関連技術がある。 ただ、国内の水素利用の機運は盛り上がりを欠く。価格が割高で需要が増えず、増えないから価格も下がらない悪循環の中にいる。 Google検索で「産経ニュース」を優先表示。ワンクリックで簡単登録

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