制度・政策

政府、LNG火力を供給の柱に/GX総合政策、8月策定へ

2026-06-28
政府がGX総合政策を8月に策定し、エネルギー需給構造の強靱化に向けてLNG火力を供給の柱とする方針を固めた。

専門家の視点

LNG火力をGX(グリーントランスフォーメーション)の柱に据えるという政府方針の背景には、電力需要増と安定供給という実体的な逼迫があります。原子力の建て替えや再エネ導入と並列しながらも、LNG火力の活用を「鮮明に」打ち出した点は、脱炭素目標と現実的なエネルギー需給の間にある緊張関係を如実に示しています。問題は、この方針が「過渡期の低炭素電源」という物語で語られる一方、ガスタービン増産支援への言及にとどまり、LNGの上流メタン漏洩対策やカーボンニュートラル燃料への移行計画が具体的に示されていない点です。これにより、市場や投資家は「結局化石燃料路線が延長される」と受け止め、再エネ・蓄電への投資意欲が萎縮するリスクがあります。隠れた前提は、LNGを「クリーン」とみなすフレームそのもの。実際には天然ガスの採掘・輸送過程でのメタン排出が温暖化に与える影響は大きく、単なる燃焼時のCO2削減だけでは不十分です。この政策の成否は、LNG火力をあくまで可逆的な過渡技術と位置づけ、2030年までにCCSや水素混焼の実装計画を具体化できるかどうかにかかっています。

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