函館の高校・大学でGX人材育成、松前町の地域資源を活用 - ニュース
専門家の視点
地域資源を活用したGX人材育成という文脈において、実体(函館の高校・大学と松前町の産官学連携の協定締結)は具体的な一歩として存在します。しかし、協定の内容だけでは、どのようなカリキュラムで、どのような技術や地域課題を学び、どの程度の人数を育成するのかという実行レイヤーが欠落しています。ここには、物語(次世代のGX人材育成というビジョン)が実体(協定という形式的な枠組み)を先行して語る「物語先走り」の構造が潜んでいます。また、松前町の地域資源が具体的に何を指すのか(再生可能エネルギー、森林資源、伝統産業など)が示されていない点も、期待(学生や地域企業の参画意欲)を具体化するための情報不足です。この構造の中心的な論点は、「誰が、いつ、どのように実行するのか」という時間軸と執行体制の不在です。協定を結んだだけでGX人材が育つわけではありません。次の観測点は、この協定が具体的な実証プログラムやインターンシップ、地域企業との共創プロジェクトにいつ落とし込まれるのかです。日本におけるGX人材育成の多くが、この「協定先行・実行後回し」のパターンに陥りやすいことを認識すべきです。
函館エリアで大学・短大・高校などを運営する野又学園、北海道松前町、東急不動産の3者は6月23日、松前町の地域資源を活用し産官学連携で次世代のGX(グリーントランスフォーメーション)人材の育成を目指す「GX人材育成及び地域連携に関する協定」を締結したと発表した。 松前町は、豊富な風力資源を活用した地産地消の再生可能エネルギー拠点づくりを推進している。東急不動産は、2019年4月に蓄電池併設型風力発電所「リエネ松前風力発電所」の運転を開始。現在は「松前2期風力発電所(仮称)」を建設中で、2027年4月に稼働する予定。また松前町と東急不動産は、まちづくり計画策定や再エネ教育に関する協定を締結し、3月に発足した「RE100まつまえSXパートナーズ」を通じて、小中高一貫の再エネ教育に取り組んでいる。 今回の協定は、これまでの取り組みとの連続性を意識し、函館大学、函館短期大学、函館大学付属有斗高等学校、函館大学付属柏陵高等学校などを運営する野又学園と連携することで、再エネ教育の対象を高等教育分野へ拡張するもの。松前町の再エネ、脱炭素、観光、一次産業など地域資源を活用した学びの機会を創出することで、GX人材の育成、地域理解の促進、実践的な教育・研究活動の充実を図り、地域社会の発展に寄与することを目指す。 具体的には、野又学園の生徒を対象とした現地見学、体験学習、講義、演習、フィールドワーク、探究学習を実施する。東急不動産は、同社が運営する地域共生型施設「リエネウインドファーム松前」「TENOHA(テノハ)松前」を学びの場として提供。松前町は、町内一次産業の現場体験などで協力する。また、都市部在住の高校生などを対象にGX関連の見学機会や学習機会を提供。取組成果を地域内外へ情報発信していく。 同協定は、産学官連携プラットフォーム「まつまえMIRAI」と連動して推進する。同プラットフォームは、松前町、松前高校をはじめ、SXパートナーズに参画する清水建設、東急不動産、関電工、シーメンス・エナジー・ジャパン合同会社、日本気象協会、三菱電機、東急コミュニティーが連携し、地域・企業・人が一体となって未来を共創する輪を広げる活動に取り組む(関連記事:「地発地消」で町おこし、松前町と東急不動産が連携)。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。
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