高市首相、エネ需要の新計画を表明 原発・再エネ活用の推進を軸に
高市首相が原発と再生可能エネルギーの活用を軸に、GXの取り組みを需給構造の観点から強化する新たなエネルギー計画を表明した。
専門家の視点
高市首相が表明したエネルギー需給強靭化計画は、中東危機とAI拡大による電力需要増という二つの現実圧力への対処を前面に打ち出しました。原発建て替え、次世代革新炉、ペロブスカイト太陽電池、風力発電、石油精製投資と列挙される選択肢の多さは、物語としては説得力を持ちます。しかし実体として、原子力の建て替えに必要な規制プロセスや立地自治体の同意、再エネ導入における系統容量や揚水発電の不足といった物理制約にどのように対処するのか、具体的な工程とKPIは示されていません。 ここでの構造的なズレは「物語先走り」です。首相が「好機」と位置づける原油価格下落は確かに短期的な追い風ですが、需給構造の強靭化は10年単位の投資と制度変更を要する課題です。計画策定の指示時期が8月末と明確な一方で、誰がいつどこで実行するのかという実行レイヤーが欠落しています。また、電力供給確保を「成長戦略の課題」と位置づける前提には、需要抑制や省エネによるピークカットという別の経路が軽視されている可能性があります。