再エネ・技術

電力取引と収益最大化を自動で実現 富士電機が蓄電所向け運用システム

2026-06-25
富士電機が蓄電所向けに電力取引の自動化と収益最大化を支援するシステムを発売開始した

専門家の視点

蓄電所の運用収益を最大化するシステムが登場したという実体は明確です。富士電機は既に24時間365日の遠隔監視サービスを持つため、実行レイヤーとしての運用人材が揃っている点が強みです。しかし、物語として「自動で収益最大化」と掲げる一方、電力取引市場のボラティリティや制度変更への適応、過去データに基づくAIの限界といった実体が省略されがちです。市場では蓄電所の収益性への期待が先行して設備投資が加速していますが、実際の収益は市場価格や需給バランスに依存するため、実体と期待の間にズレが生じやすい構造です。このシステムの真価は、2026年の稼働開始時期に、同時期に予定される容量市場や需給調整市場の制度設計がどう変化しているかにかかっています。技術の導入スピードが制度の執行や市場ルールの改定を上回る可能性があり、期待先行のリスクを内包していると言えます。次に見るべき観測点は、このシステムが2026年までにどの程度の実証運転期間と調整力の評価を得られるかです。

富士電機は2026年6月22日、電力取引の運用自動化と収益最大化を支援する蓄電取引運用システム「EnergyGATE for Power Trading」を同日より販売開始すると発表した。 富士電機は2026年6月22日、電力取引の運用自動化と収益最大化を支援する蓄電取引運用システム「EnergyGATE for Power Trading」を同日より販売開始すると発表した。電力アグリゲーターや、自社で調整力で取り引き行う系統用蓄電池事業者など向けに提供する。 新システムは、需給調整市場などにおいて収益を得るために必要な取引業務を自動化し、収益が最大となる取引計画を作成できるのが特徴。ユーザー側が取り引きのスケジュールを作成して入力すると、運用に必要な日本卸電力取引所(JEPX)や電力需給調整力取引所(EPRX)に対する電力売買の手続き、電力広域的運営推進機関(OCCTO)やEPRXへの各種帳票の提出といった業務をシステム側で自動で実施する。 電力会社向けに提供している各種システムや国の実証試験で検証した独自の予測技術と最適化技術も活用している。これにより、3日先までの電力の市場取引価格を予測でき、蓄電池の定格容量や充放電量の制約等の条件を入力するだけで、収益が最大となる充放電計画を自動で作成できるという。 システムは系統用蓄電池を使った運用に対応しているが、今後は、太陽光発電などの再エネ併設蓄電池や需要家併設蓄電池にも対応できるよう機能拡張を行う計画。また、蓄電池を使ったポジワット取引だけではなく、ネガワット取引やネガポジ取引にも対応し、さまざまな電源リソースおよび複数の取引形態に対応可能なマルチユース型システムを目指す方針だ。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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