中東湾岸諸国駐日大使と懇談 (2026年6月25日 No.3734)
専門家の視点
中東湾岸諸国と日本の関係を、従来の化石燃料中心から再生可能エネルギーや水素へと拡大する枠組みについて、双方の首脳・企業レベルが「官民連携プラットフォーム」の必要性で一致したことが事実上の成果です。しかし、ここには構造的なズレがあります。実体として、ホルムズ海峡封鎖という物理的な供給途絶リスクや、中東諸国が掲げる産業多角化の具体的なロードマップは示されておらず、あくまで「意見交換」に留まっています。物語は「戦略的パートナーシップ」や「カーボンニュートラルへの強み」という前向きなフレームで語られますが、肝心の実行レイヤーである誰がいつ、どの技術を、どの規模で導入するのかというKPIが欠落しています。この状況は「物語先走り」の構造です。ビジョン提示と首脳レベルの合意は進む一方で、それを裏付けるプロジェクトの組成や資金調達の具体的な進捗が追いついていません。次の観測点は、この懇談会が具体的な合弁事業や実証プロジェクトの立ち上げに、半年以内に接続できるかどうかです。
経団連の中東地域委員会(兵頭誠之委員長、佐藤雅之委員長、宮田知秀委員長)は5月22日、東京・大手町の経団連会館で、中東湾岸諸国駐日大使との懇談会を開催した。 経団連からは兵頭委員長、佐藤委員長、宮田委員長をはじめ、中東湾岸諸国に関心を持つ企業関係者が、先方からはバーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、サウジアラビアの各駐日大使が参加した。 直近の中東情勢、事態沈静化後の各国とのさらなる経済連携の推進について意見交換した。 兵頭委員長は、2026年2月末以降の中東情勢を受け、世界経済がよりレジリエントなサプライチェーンの整備とリスク管理体制の強化へとかじを切るなか、双方にとって安全保障上重要で、不可欠なパートナーであることがあらためて浮き彫りになったと述べた。 そのうえで、化石燃料に加え、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの高いポテンシャルを持つ中東地域は、カーボンニュートラルに向けて強みがあると述べ、双方が連携するためには経団連が模索する同諸国との官民連携プラットフォームが重要だと強調した。 続いて、中東湾岸諸国側を代表して、アハメッド・ムハッマド・ユースフ・アルドーセリ駐日バーレーン大使があいさつ。同諸国と日本との関係を、これまでのエネルギー協力から、より幅広く、より戦略的な経済パートナーシップへと発展させる必要があると述べた。 その後、ホルムズ海峡の封鎖を受けたエネルギー資源や工業品の輸送、エネルギーインフラの早期回復や日本の貢献、中東湾岸諸国が産業多角化を目指すなかでの再生可能エネルギーや水素など多様な分野での連携等について、率直な意見交換が行われた。 「2026年6月25日 No.3734」一覧はこちら
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