GX-ETSとJ-クレジットの壁 10%制限でも足りない供給量
専門家の視点
GX-ETSが求めるカーボンクレジットの需要は、J-クレジットの供給量をすでに上回っています。10%という調達比率の制限があってもなお量が足りないという事実は、制度設計の前提が市場の実態とずれ始めていることを示しています。ここには物語と実体の間のズレ、すなわち「物語先走り」の構造が潜んでいます。政府はGX-ETSを段階的に排出権取引へ移行させるシナリオを描いていますが、現在の検証可能なKPIであるクレジット流通量は、参加企業の需要を満たせる規模に達していません。また、この記事が乗り越えるべき前提は「クレジット市場が制度に追いつく」という暗黙の楽観論です。現実には、新規プロジェクトの組成や認証には年単位のリードタイムが必要であり、制度スタートのタイミングと実体の供給力には不可逆的な時間差が生じています。投資家や市場参加者から見れば、この不足はクレジット価格の急騰リスクを内包し、期待先行で市場が加熱する可能性もあります。実体としての供給力が整うより先に、制度上の需要だけが先行した構造です。
GX-ETSとJ-クレジットの壁 10%制限でも足りない供給量環境ビジネス編集部 2026年度から本格稼働する日本版排出量取引制度(GX-ETS)第2フェーズにおいて、J-クレジットをはじめとするカーボン・クレジットの扱いが大きな焦点となっている。脱炭素投資を促す制度として設計されるGX-ETSだが、制度の実効性を担保するために設けられた「クレジット活用10%制限」という壁、そして「クレジットの絶対量不足」という 二重の課題が浮かび上がる。GX-ETSにおけるJ-クレジットの役割と課題を分析する。 日本政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向け、排出削減と産業競争力強化を同時に進めるGX(グリーントランスフォーメーション)を推進している。その中核となるGX-ETSは、2023年度からのGXリーグによる試行期間(第1フェーズ)を経て、2026年度からは改正GX推進法に基づく法的枠組みへと移行する。 第2フェーズでは、直近3カ年度平均のCO2直接排出量が10万t以上の事業者が制度の対象となり、参加が義務化される。対象事業者は政府の指針に基づいて排出目標(排出枠)を策定・申請し、毎年度の排出実績と同量の排出枠(またはクレジット)を保有・償却する義務を負う。この義務を履行できない場合、上限価格の1.1倍の支払いを求められるなどの厳しい不履行措置も定められた。 GX-ETSにおけるカーボン・クレジット、特に国内で創出されるJ-クレジットの役割は、あくまで自社での直接的な排出削減を「補完」するものと位置付けられている。政府は第2フェーズの運用において、適格クレジットの無効化による義務履行の上限を「各年度の実排出量の10%」に制限する方針を打ち出した。 「環境ビジネス」有料読者限定の記事です。仕事に役立つ、環境業界の先行きが分かる有益な記事が読み放題各自治体・環境対策設備ごとの補助金が探せる「補助金情報検索システム」も利用可能「スタンダードプラン」なら更に高付加価値な情報も載る季刊「環境ビジネス」が届く無料登録ログイン購読して続きを読む注目情報(PR)この記事にリアクションして1ポイント!(※KAIGI ID登録でポイントを貯められます) オススメ情報(PR)おすすめのコンテンツ直近1週間のアクセスランキング🔒使用済みカプセルが高級品に ネスプレッソの循環戦略 太陽光の設置場所は窓・壁へ ペロブスカイトが広げる導入の余地 資源エネ庁担当者が解説 再エネ自立化への道筋とは 感電事故35件、再エネ発電所で死亡も 経産省が夏に向け注意・対策喚起 軽量・着脱式の太陽光パネルを低耐荷重屋根に 京セラ、東京都実証事業で開発 グリーン冷媒「R1234yf」を採用したノンフロンチラー 脱炭素計画策定システム『Green AI』 新着イベントJAPAN Climate Summit 2026 2026.07.24~2026.07.24 まで環境ビジネスサミット THE PIONEERS 変わり始めた市場構造と成長領域、そのリアルを掴む(アーカイブ配信) 2026.04.09~2026.07.31 まで環境ビジネスカンファレンス ONLINE 次世代GX工場における設備投資最新事例 2026.08.04~2026.08.04 までアーカイブ_全数計測の終焉、AI推計の時代 ~計測不全を乗り越え、AI最適化を加速させるサーバーサイド計測(sGTM)の真価~
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一次ソース
- https://i.sendenkaigi.com/user/guest?returnto=https://www.kankyo-business.jp/column/c6c2bd83-763b-428b-8dee-efd01af7de83&transition_source=kankyobusiness
- https://www.sendenkaigi.com/kankyo/event/enechain2607
- https://www.sendenkaigi.com/kankyo/event/kbsummit2603_archive
- https://www.sendenkaigi.com/kankyo/event/kbonline260804_onl
- https://www.sendenkaigi.com/marketing/event/ayudante2606