制度・政策

脱炭素オークション、上限額引き上げ望む声 募集量未達

2026-06-24
長期脱炭素電源オークションで募集量に達しない案件が出ており、上限額引き上げを求める声が上がっている。政府は2024年度の入札で供給量を増やす方針で、2030年度までに5GW程度の導入を目指す。

専門家の視点

長期脱炭素電源オークションにおいて、募集量に達しない案件が発生しているという事実は、実体と物語の間に明確なズレがある構造を示しています。政府が2030年度までに5GW程度の導入を目指すという物語は壮大ですが、現状の上限額設定では事業者の採算が合わず、応札が集まらないという物理制約が実体として存在します。このズレの中心は「物語先走り」です。ビジョンと目標値は掲げられているものの、価格設定という経済合理性のレンズで見ると、実行レイヤーである発電事業者が動くインセンティブが不足しています。隠れた前提は「上限額を引き上げれば応札が増える」という単純な因果関係です。しかし実際には、価格以外にも許認可プロセスの長期化や系統接続の制約といった時間軸の問題が存在し、上限額引き上げだけでは解決しない構造があります。日本企業やGX人材への示唆として、このオークション制度は数値目標と現場の事業性を両立させるための試金石です。次の観測点は、政府が上限額引き上げに踏み切った場合に、本当に事業者が追加で応札するのかという実証フェーズです。

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