【日本】環境省、ネイチャーポジティブ調達実践ガイドライン案公表。パブコメ募集 | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs - Sustainable Japan
環境省がネイチャーポジティブに関する調達の実践ガイドライン案を公表し、パブリックコメントを募集していることを報じている。
専門家の視点
環境省が公表したネイチャーポジティブ調達ガイドライン案は、企業に「生物多様性に配慮した調達」という新しい基準を課すものです。背景には、世界経済フォーラムの試算で世界のGDPの半分以上が自然に依存しているという現実があります。これは実体として確かな数字であり、調達プロセスに生態系リスクを組み込む正当性は高いと言えます。 問題は、このガイドラインが「評価」と「実行」の間で構造的な非対称性を抱えている点です。ガイドラインは調達品目ごとのリスク評価手順を詳述していますが、サプライチェーン全体でそれを実行できる人材やシステムが日本企業に十分に整っているとは言えません。特に中小企業にとって、原材料の原産地ごとに生態系リスクを調査する負荷は、ガイドラインの想定を超える可能性があります。 隠れた前提として、このガイドラインが「情報開示を通じた市場メカニズム」で自然劣化が止まるとする発想があります。しかし生物多様性の損失は、取引の透明性だけでは解決できない「コモンズの悲劇」の構造を含んでいます。