【事例4】米Apple社:サプライチェーンでもCO2排出ゼロを推進
米Apple社がサプライチェーン全体でのCO2排出ゼロ推進に取り組んでいる事例を紹介。
専門家の視点
アップル社がサプライチェーン全体でのCO2排出ゼロを推進する方針は、実体として同社のバリューチェーン排出量の大部分がサプライチェーン由来であるという物理的な制約から生まれています。同社は自社の直接排出を既に実質ゼロにしており、次に取り組むべき排出源としてサプライチェーンが残されているのです。この記事では、その物語として、アップル社がサプライチェーンに対して具体的な排出削減目標を課していることが示唆されていますが、重要なのはその実効性です。期待先行の構造がここに現れています。市場や投資家はアップルブランドの影響力を過信し、サプライチェーン全体が簡単に脱炭素化できると期待するかもしれません。しかし、サプライチェーンは多様な企業群で構成され、各社の技術力や投資余力は大きく異なります。アップル社が要求する削減を現実に実行できる企業は限られており、この期待と実体の間にズレが生じる可能性が高いのです。隠れた前提として、サプライチェーン企業がすべてアップル社の要求に応えられる競争力と余裕を持つという仮定がありますが、これは現実的ではありません。