制度・政策

長期脱炭素電源オークション、LNG基地も対象に/上限9.2万円

2026-06-23
経産省が長期脱炭素電源オークションの対象をLNG基地に拡大し、上限価格を9.2万円に設定する方針を有識者会合で示した。

専門家の視点

長期脱炭素電源オークションの対象がLNG基地に拡大され、上限価格が9.2万円に設定されたことは、「脱炭素と電源確保」という二つの現実を同時に扱う政策判断です。実体としては、LNG基地は発電設備ではなく供給インフラであり、CO2削減に直接寄与しないため、脱炭素電源という枠組みに含めること自体が矛盾をはらみます。しかし、本質的な論点は、安定供給のためにLNG火力を維持したいという物理的な制約と、2030年以降の長期脱炭素目標との間で、制度設計が時間軸をどう調整するかという点にあります。物語としては、オークションという市場メカニズムを用いながらも、上限価格9.2万円は実質的な「価格シグナル」であり、収益性が不透明なLNG基地投資に対して政策的な支えを与える意図が透けます。ここで注目すべきは「誰が実行するのか」という実行レイヤーの欠落です。LNG基地の運営主体は電力会社やガス会社ですが、脱炭素電源オークションの設計は発電事業者向けであり、基地投資と発電投資の採算性を一体的に評価できる事業者は限られます。この構造は、物語と実体の間にズレを生んでおり、期待先行のリスクがあります。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る