電気代にも影響する!?「排出量取引制度」のこれからを竹内純子さんに聞いてみた(後編)
専門家の視点
この記事は排出量取引制度の光と影をバランスよく描いています。Substanceとして、制度開始時期や対象企業など具体的な事実を示す一方、Narrativeでは「グリーンはタダではない」というコスト負担の覚悟を消費者に問うフレーミングが際立ちます。Expectationとして読者は電気代への影響を最も気にしますが、記事は負担の必要性を説くにとどまり、具体的な負担額や生活弱者対策には踏み込んでいません。注目すべきズレは、竹内氏自身が「税金型の方が長期計画を立てやすい」と認めている点で、排出量取引が必ずしもグリーン投資を促進するとは限らないという逆説が示されています。これは「目的(脱炭素投資の促進)と手段(排出量取引)の倒置」リスクを内在させており、市場価格の変動が安易な排出枠購入に誘導される可能性を指摘しています。日本企業は制度の枠組みに受動的に従うのではなく、市場価格に左右されない長期的な技術開発投資の判断軸を自社で構築する必要があり、GX人材には制度のメリット・デメリットを冷静に評価した上で、企業固有の状況に応じた脱炭素戦略を立案する複眼的思考が求められます。
閉じる カテゴリー マンガ コラム Conちゃんが行く! エネトーク まとめ記事 用語集 ガイド 人気記事ランキング Concentとは 運営会社情報 Copyright(c) Concent 編集委員会 TOP > Conちゃんが行く! > 電気代にも影響する!?「排出量取引制度」のこれからを竹内純子さんに聞いてみた(後編) Conちゃんが行く! 電気代にも影響する!?「排出量取引制度」のこれからを竹内純子さんに聞いてみた(後編) 2026.06.23 --> 日本を取りまくエネルギーの今を伝えるべく、Concent編集部きっての好奇心旺盛なCon(コン)ちゃんが突撃取材!前編では、地球温暖化の現状と「排出量取引制度」の仕組みを教えてもらったConちゃん。後編では、この制度が社会や私たちの生活にどんな影響を与えるのか、そして日本の温暖化対策はこれからどこへ向かうのか。引き続きエネルギー・環境問題の専門家である竹内純子さんに聞いてきました! >CO2に値段が付く!?新たに始まった「排出量取引制度」の仕組みを竹内純子さんに聞いてみた(前編) 2026年4月から「排出量取引制度」が本格的にスタート。電力、鉄鋼、化学、セメント、石油など、年間10万トン以上のCO2(二酸化炭素)の排出実績がある企業が参加し、国が各企業に割り当てたCO2の排出枠(排出できる上限量)に対して余った枠や不足した枠を市場で売買する仕組みだ。 2026年度は、対象となる企業の制度への参加が義務化され、CO2排出量の算定や報告を行う段階で、実際に取引が始まるのは2027年度から。まだ直接的な社会変化がないとはいえ、取引がスタートすると企業活動や私たちの暮らしにはどんな影響があるのだろうか。竹内さんに聞いてみた。 竹内「CO2排出削減努力の結果、余った排出枠を売る側に回れば、直接的な利益につなげられる。これはわかりやすいメリットだね。でも、CO2削減にはコストがかかるし、簡単に削減ができるわけではないの。この制度のメリットとして大きいのは、省エネや脱炭素化に向けた投資判断がしやすくなること。 これまでは『省エネ設備を導入するために必要なコストはいくら、エネルギーコストの削減によって、その投資が何年で回収できるか』という計算をしていたわけだけど、排出量取引制度が導入されると、CO2の削減量そのものにも経済的な価値が付いて、投資に向けたポジティブな判断材料が増えるの。だから、企業が環境対策に積極的になると期待されるんだよ」 竹内「実は、『1トンのCO2に対して5%の税金がかかる』みたいな税金型の方が、最初からコストが確定しているから企業は長期計画を立てやすいんだよね。CO2削減には技術開発を伴う長期的な取り組みが必要なので、予見性があることはとても大事なの。 一方、排出量取引制度は市場で価格が上下するでしょ。そうなると、たとえ自社でCO2削減につながる技術の開発に大きな投資をしようとしても、『市場で、投資にかかるコストより安い排出枠を買えばいい』という判断になりかねない。長期的なグリーン投資を促すという点では、実は税金型の方が優れている面もあるんだよ。 それに、適切な枠の設定や、適正な取引が行われているかを監視するなど、政府がしなければならないことがとても多いので、行政組織の肥大化が起きると言われているの。排出量取引制度がうまく機能して、企業のCO2排出削減に向けた投資や対策につながるように、制度設計も適宜見直していくことが大切だね」 排出量取引制度が進むと、企業の活動がよりCO2削減に積極的な方向へとシフトしやすい社会が生まれそうで、「けっこういいんじゃない?」と思ったConちゃん。とはいえ、やっぱり気になるのは僕たちの暮らしの変化。どんなふうに変わるのだろうか? 竹内「私たち消費者が理解しなければいけないのは、グリーンはタダではない、ということ。CO2削減に向けた技術の導入にはコストがかかるの。社会を支えるインフラは、日本に暮らす全員で使うものだよね。だから、持続可能な社会を維持するためには、インフラにかかるコストは最終的に社会全体で分かち合う、つまり負担する必要があるんだよ。 例えば、再生可能エネルギーを増やすためには、最初に設備投資をしなければいけないよね。燃料代はかからないけれど、設備の導入や維持、そして太陽光や風力発電の場合は『必要な時』に発電してくれるわけではないから、電気をためて使う時間をシフトできるように蓄電池なども導入しなければいけないの。 だけど、それらには消費者のコスト負担が必要だよね。エネルギーは生活に必須のものだから、そのコストが上がることで、特に生活弱者と呼ばれる方たちに大きな負担になってしまうため、過度な負担にならないよう考慮しつつ、一
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