再エネ・技術

走るほどクリーンになる「マツダ二酸化炭素回収」の実証現場で見たカーボンネガティブの最前線

2026-06-23
マツダが取り組むカーボン回収技術とカーボンネガティブ燃料の実証現場の様子を報じている。

専門家の視点

この記事は、マツダのCO2回収技術を「走るほど大気中のCO2が減る」という魅力的な物語で語っていますが、実体はラジコンカーによる原理実証やデザインモデル、試作ユニットの段階にとどまります。大気中CO2濃度を0.04%から0.02%に半減させたと強調する一方で、その実験がどのような条件下で行われたか、実際の走行中に回収できるCO2の絶対量がどれほどかは不明です。また、回収したCO2の最終的な処理方法や、装置の重量・コスト・エネルギー消費といった実用化への課題に触れられていません。カーボンニュートラル燃料の使用を前提としている点も、完全なカーボンネガティブとは言い切れない要素です。ここでは、過去の実験結果を現在の「成果」として提示し、実用規模と効果のギャップを隠蔽する「規模と効果のギャップ」や、具体的な数値目標や市場投入時期を省略する「省略された利害関係者」のズレが見られます。日本企業やGX人材がこのような技術報告を評価する際には、物語性に惑わされず、実証から量産に至る現実的なロードマップと定量的な削減ポテンシャルを厳しく検証する姿勢が求められます。

まず、マツダのカーボンネガティブに向けた昨年からの活動を振り返っておきたい。CO2回収装置の原理については、昨年の富士24時間レースでの実証の様子を公開している。 そのときは、排気量2ccの2ストロークエンジンを搭載する、「マツダ3」形状のラジコンカーを使って、排ガスからCO2を吸着していた。 リアルタイムでCO2量を計測したところ、大気中では0.04%でエンジン排ガスは0.16%と4倍になったが、鉱物のゼオライトを使ったCO2回収装置を通過すると0.02%へ。 つまり、大気中のCO2が半減しており、“走れば走るだけ大気中のCO2が減る”という原理を実証して見せたわけだ。 次に、「ジャパンモビリティショー2025」(一般公開10月31日〜11月9日)では、「マツダビジョンX-コンセプト」を世界初公開。 これはクロスオーバークーペのデザインで、2ローターのロータリーエンジンとモーター・バッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。 化石燃料に依存しないカーボンニュートラル燃料を使い、システム出力は510馬力、航続距離800kmを目指すとした。 さらに、「マツダ モバイル カーボン キャプチャー」のデザインモデルを初公開し、これを装着することで「走るほどに大気中のCO2を削減する」と説明している。 次いで、スーパー耐久シリーズ2025最終戦(富士スピードウェイ、11月15〜16日)では、マツダのワークスマシンである「マツダスピリットレーシング 3 フューチャーコンセプト」に、マツダ モバイル カーボン キャプチャーを装着して決勝レースに出走。 公開されたマツダ モバイル カーボン キャプチャーの現物は、ジャパンモビリティショー2025でお披露目された綺麗なデザインモデルとはかなり違い、粗削りな試作ユニットという印象だった。 「サイノス」「コスモスポーツ」「レパード」…人気上昇中、脱定番だけど希少な国産ヘリテージカーに旧車ブームが波及 乗り心地、ハンドリング、コーナリングを高次元で両立…ボルボの新型EV「EX60」がゲームチェンジャーである所以 本文の内容に基づいた記事をピックアップしています

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