再エネ・技術

政府施設へのペロブスカイト設置目標、2035年に50〜70MW - ニュース

2026-06-23
政府が2035年までに公共施設へペロブスカイト太陽電池を50〜70MW導入する目標を示したニュース。

専門家の視点

政府施設へのペロブスカイト太陽電池導入目標として、2035年に50〜70MWという数値が示されました。この規模は、現在の実証段階から見ると野心的であり、実体として量産技術や耐久性の実証がどこまで進むかが鍵です。物語としては「公共施設で先行導入し、市場を創出する」というメッセージが明確ですが、設置可能な屋根面積や系統連系の制約といった物理的な実体との照合が不足しています。期待は供給サイドで高まりやすく、関連企業の株価や研究開発投資に波及していますが、需要サイドの施工・維持管理人材やコスト削減の時間軸が不透明です。ここでのズレは物語先走りの構造です。ビジョンは2030年以降の本格普及を描く一方、現在の実証設備は数MW規模であり、2035年目標を達成するには年間10MW以上のペースで設置を拡大する必要があります。また、この目標は政府施設に限定されており、民間への波及効果が自動的に発生するという前提がありますが、民間企業が同じコストで導入するインセンティブはまだ弱いです。次の観測点は、2025年度中に示される予定の性能基準や導入ロードマップの具体性です。

環境省は、政府が6月18日に開催した有識者会議(公共部門等の脱炭素化に関する関係府省庁連絡会議)において、政府部門におけるペロブスカイト太陽電池の率先導入の取り組み案として、政府が保有する施設へ2035年に50〜70MW、2040年には100MW以上を導入する新たな目標を示した。 政府部門によるペロブスカイト太陽電池の率先導入は、2025年2月18日に閣議決定された政府実行計画に基づく取り組み。2026年3月30日に開催された関係府省庁連絡会議で確認した方針を踏まえ、環境省において政府施設へのペロブスカイト太陽電池の導入目標を含む「政府部門による需要創出の取り組み」をまとめた。 ペロブスカイト太陽電池は、2030年までに14円/kWhが可能となる技術を確立し、2040年には自立化が可能なコスト(10円/kWh〜14円/kWh以下)の実現を目指している。この場合、次世代型太陽電池戦略に示される需要推計結果によると、公共部門で5000〜7000MW(5〜7GW)の需要が見込まれる。 政府部門の需要創出の取り組み案では、一定の供給力の確保・コストの低減を前提に、2030年度導入目標(従来型太陽電池を含め60MW)実現に向け、追加的な導入が見込まれる場所へのペロブスカイト太陽電池の導入および実証などへ参画する。独立行政法人などの計画策定や導入を加速するため、各政府省庁による必要な支援や助言を行う。 また、全国の自治体が保有・管理する施設数は政府施設より多いことから、自治体における需要創出につなげるため「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」に参加し導入を検討する自治体(5月20日時点で182自治体)などを念頭に、ニーズの把握とともに、支援強化策として、目標設定や導入計画の策定などの支援を新たに実施する。 2027年度以降、供給力やコスト動向を踏まえ、自治体での導入の基礎となるような政府施設の各種類型(庁舎、社会福祉施設、文教研修施設、研究機関など)における導入事例の創出を環境省が主導して検討し、その成果を自治体へ展開する。各府省庁は、フォローアップ調査の機会を捉えた導入候補施設の選定、初期の導入事例創出の協力、独立行政法人など自治体における需要創出を支援していく。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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