制度・政策

【EU】環境NGO、炭素除去認証で欧州委に内部審査請求。BioCCS・バイオ炭の方法論批判

2026-06-22
環境NGO9団体がEUの恒久的炭素除去認証方法論(BioCCS・バイオ炭)に対して欧州委員会に内部審査を請求したことを報じている

専門家の視点

EUの炭素除去認証制度を巡る動きで、環境NGOが欧州委員会に対して内部審査を請求した背景には、実体と物語の間の明確なズレがあります。実体として、BioCCSやバイオ炭といった技術はCO₂を長期間固定する手法として物理的には成立していますが、認証方法論において「恒久的」と定義された基準の厳格さが、現実の運用と合致しない点が問題です。NGOは、吸収量の計測や永続性の保証に関する科学的な不確実性が制度設計に十分反映されていないと指摘します。この構造は「物語先走り」の典型例です。EUはCRCF規則を通じて炭素除去市場への期待を市場参加者に植え付け、先行者利益を創り出そうとしていますが、排出権の品質を担保する検証プロセスが追いついていない現実があります。誰がこの認証を実行し、どの時点で失敗を認めるのかという実行レイヤーが制度上あいまいであり、NGOの動きはその欠落を突いたものです。隠れた前提として、「炭素除去技術は時間の経過とともにコストが下がり、普及が加速する」という楽観的な技術進歩観がありますが、その逆に、劣悪な認証は市場の信用を一瞬で失わせるリスクをはらみます。

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