住友林業株式会社と「高知県県有林J-クレジット共同創出事業」に関する協定を締結しました
専門家の視点
排出量取引制度の本格化を目前に、クレジットの供給側が動き始めた実体を示すニュースです。高知県は平成20年度から先行してクレジット創出に取り組んできた実績があり、今回の協定は「実体が翻訳されていない」状態を解消する一歩と見ることができます。全国一の森林率84%という資源は以前からありましたが、改正GX推進法による義務化という物語が加わることで、クレジットに新たな経済合理性が生まれています。約600ヘクタール、16年間で約39,000トンという数値は具体的で、測定可能な実体として機能します。しかし、ここで隠れた前提を問い直します。排出量取引制度の需要側は、年間10万トン以上の排出企業です。供給量39,000トンは16年間の総量であり、単年度換算では約2,400トン。一社の排出量と比べて規模が小さく、価格形成への影響力は限定的です。求めるべきは、この協定が単なるクレジット創出の成功事例に留まらず、市町村への普及啓発も含めた「面」としての展開が、高知県の森林資源全体の経済価値をどの程度引き上げるかという点です。
高知県と住友林業株式会社は、令和8年6月10日(水)に、「高知県県有林J-クレジット共同創出事業」に関する協定を締結しました。 高知県では、「脱炭素推進アクションプラン」を策定し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組みを進めています。令和7年5月に成立した「改正GX推進法」(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)により、令和8年度から、年間CO2排出量10万トン以上の企業に排出量取引制度への参加が義務付けられ、実際の取引が令和9年度に始まります。 高知県は、全国に先駆けて平成20年度からカーボン・クレジットの創出・販売に取り組んできましたが、さらなる需要が見込まれるため、全国一の森林率84%という高知県の強みを活かし、今回の協定に基づき住友林業株式会社と共同で県有林でのCO2吸収量をクレジット化して販売します。 本協定に基づき森林経営活動(間伐等の適正な森林整備)を行う県有林の面積は約600ヘクタール、16年間のプロジェクト期間中のカーボン・クレジットの創出量は約39,000t-CO2(単位は「トン・シーオーツー」)を見込んでいます。 クレジットをカーボン・オフセットに活用していただくことにより、カーボンニュートラルの取り組みをさらに進めるとともに、販売収益は森林整備に活用し、森林の利活用の推進にもつなげていきたいと考えています。このほか、創出したクレジットの販売や市町村等への普及啓発も含め、幅広い取組を行っていくこととしています。 令和8年6月10日(水曜日)10時30分~11時05分 住友林業株式会社 常務執行役員 資源環境事業本部長 堀田 一隆 住友林業株式会社 資源環境事業本部 森林技術部長 西村 千 住友林業株式会社 資源環境事業本部 森林技術部 グループマネージャー 岡田 広行 住友林業株式会社 資源環境事業本部 新居浜森林事業所長 中井 康貴 高知県副知事 西森 裕哉 高知県林業振興・環境部長 坂田 省吾 高知県林業振興・環境部副部長 吉本 昌朗 高知県林業振興・環境部副部長 竹﨑 誠 高知県林業振興・環境部 森づくり推進課長 大野 孝元 高知県林業振興・環境部 自然共生課長 濱口 卓也
本文は配信元の記事から取得した抜粋です。
配信元の記事を読む →