令和7年度補正予算・令和8年度予算「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」の公募開始 ...
環境省が建築物のZEB化・省CO2化を促進する補助事業の公募を開始した。
専門家の視点
建築物のZEB化・省CO2化を促す補助金事業の公募開始ですが、ここには実体と物語の間に明確なズレがあります。実体として、2030年度目標達成には既存ストックの大規模改修が不可欠ですが、本事業の主な対象は新築と大規模改修に限られ、中小規模の既存建築物に対する簡易な断熱改修や運用改善は直接的には対象外です。物語では「2050年カーボンニュートラルへの貢献」を掲げていますが、実体として年間の改修件数は既存ストック全体の数%に過ぎず、このペースでは2030年度目標に届かないという時間軸の非対称性が存在します。期待先行の構造として、市場ではZEB化補助への過度な期待が先行し、実際の執行レイヤーでは設計事務所や施工会社のZEB対応人材が不足しているため、申請から完工までの期間が長期化するリスクがあります。隠れた前提は「補助金を出せば需要が自然に拡大する」という考え方ですが、実際には補助金依存が続くと市場自律性が育たず、制度終了後に導入が停滞する可能性があります。次の観測点は、本事業が実証したZEB事例をどう既存ストック向けの簡易改修メニューに展開するかという制度設計の具体化です。