造船業復活へ「協調融資も」 ノウハウ活用し支援強化―伊予銀新頭取
専門家の視点
伊予銀行の新頭取が造船業向け融資を強化する方針を示したことは、脱炭素化対応を資金需要の背景としながらも、実体としては同行の融資残高目標の前倒し達成という銀行側のKPI達成が前景化しています。脱炭素化という環境目的が、資金供給の説明材料として使われている点で「目的と手段の倒置」が見られます。また、「造船業復活」というポジティブな物語で語られる一方、具体的なCO₂削減効果や技術転換の進捗には言及がなく、投資規模と環境効果のギャップが無視されています。さらに、「1船1行」から協調融資への転換は、大型案件のリスク分散という銀行の論理に過ぎず、「業界全体の復活」という主語が曖昧になります。脱炭素対応の実質的な受益者である地域社会や環境への直接的な言及はなく、利害関係者が省略されています。日本企業やGX人材は、融資や投資額だけでなく、それが実際にどのような排出削減や技術転換に結びついているかを検証する視点を持たなければなりません。
インタビューに応じる伊予銀行の佐賀山隆常務=12日、松山市 いよぎんホールディングス傘下の伊予銀行(松山市)頭取に26日付で就任する佐賀山隆常務がインタビューに応じた。政府が国内造船業を重点投資対象に位置付ける中、「最適な投資の支援に取り組む」と強調。大型再編などに対しては「協調融資も検討する」として、これまでに培ったノウハウを活用し「復活」に貢献したい考えだ。 人口減、金利上昇を検証し改善命令も 地銀・信金向け監督指針改正―金融庁 営業基盤の愛媛県では、今治市などに造船業が集積。近年は船舶の大型化や脱炭素化対応などで資金需要が拡大しており、同行の海事産業向け融資残高は今年3月末時点で全体の4分の1に当たる約1兆6000億円に上り、中期経営計画の目標を1年余り前倒しで達成した。 佐賀山氏は「浮き沈みが大きい海運市況で、昔から取引先を支え関係性を築いてきたのが当行の強みだ」と強調。一方で、大型案件に対しては従来の「1船1行」の融資手法では限界があるとして、「他の金融機関と協調融資することも検討している」と述べた。 全国の地銀で再編や統合の動きが相次いでいることに対しては、一般論と前置きしつつ「再編を意識、検討しない地銀経営者はいないと思う」と指摘。「10年先を見据えた成長戦略をしっかりと落とし込み、経営基盤を固めることに尽きる」と抱負を語った。
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