JFEグループ 25年度 研究開発費 微減428億円
JFEグループが2025年度の研究開発費を微減の428億円とし、鉄鋼事業のカーボンニュートラル化やAI活用の研究を継続する方針を発表した。
専門家の視点
鉄鋼業界のカーボンニュートラル化は、水素還元やCCUSなど実証段階の技術に巨額の投資が必要ですが、JFEグループの研究開発費が微減している点が構造的な緊張を生んでいます。実体として、鉄鋼生産におけるCO2排出削減は物理制約が厳しく、既存高炉の延命策では抜本的な脱炭素に至らないという現実があります。一方、物語としてはカーボンニュートラル化への継続的な取り組みを強調していますが、研究開発費の減少という数字は、期待されるスピードとリソース配分にずれがあることを示唆します。ここで見逃せないのは「誰が実行するのか」という実行レイヤーの問題です。製鉄所のAI・IoT化は効率改善に寄与しますが、それはあくまで漸進的対策であり、根本的な技術転換には別枠の投資と人材が必要です。研究開発費全体が微減であることは、経営資源の優先順位が脱炭素一点張りではないことを示し、投資家や政策からの期待先行に対して、実体が慎重な歩みをとっている構造が浮かび上がります。次に見るべき観測点は、この研究開発費の内訳と、水素還元実証への具体的な配分比率です。