ドイツ政府、国家水素評議会を改革、変化した課題に対応へ(ドイツ)
専門家の視点
ドイツ国家水素評議会の改革は、水素戦略の実装段階が「技術的・規制的基礎」から「経済的視点」へ移行したことを示しています。実体としては、産学22人の専門家組織を解散・再編し、経済専門性を強化、省庁調整をスリム化するという組織改変が中核です。しかし、物語の語り口は「市場拡大に伴う課題対応」として改革自体を前向きにフレーミングする一方、具体的な課題の内実や改革の成果指標は省略されています。期待とのズレとして、組織改変が水素導入加速に直結するかは不透明であり、手段である組織改革が目的化していないかという疑問が残ります。また、外部専門知識の取り込みを謳うものの、どの業界の声をどのように反映するのか、利害関係者の範囲は曖昧です。日本企業・GX人材への示唆は、水素戦略の実効性は組織の「形」ではなく、市場実態に基づく具体策の立案力と実行速度で評価すべきという点です。
このページではjavascriptを使用しています。 ドイツ連邦交通省は6月10日、国家水素評議会(NWR)の改革を発表した。国家水素評議会は、ドイツの気候目標の達成、新たなバリューチェーンの創出、国家間のエネルギー政策協力を促進する連邦政府の「国家水素戦略」(2020年9月9日付地域・分析レポート参照)に基づいて2020年に設立された。産学の専門家22人で構成され、関連省庁の事務次官により構成される水素委員会に対して、同戦略の改善提言や実施について支援、助言している。 今回、水素市場の拡大に伴い変化した課題に対応できるよう評議会を組織面、戦略面で改革する。評議会の経済的な専門性を強化し、活動を連邦政府の優先事項と整合させる。また、委員会全体をスリム化する。 現在の構成での評議会は6月18日が最終となり、6月30日に解散し、7月1日に今回の改革が施行されて新たな評議員が任命されることになる。 カテリナ・ライヒェ連邦経済・エネルギー相は、「技術的、規制的な基礎が確立された今、重要なのは経済的視点だ。そのためには市場動向を詳細に分析し、実践的な提言を行う体制が必要。外部の専門知識を効果的に水素政策に取り込んでいく」とコメントした。 パトリック・シュニーダー連邦交通相は「水素およびその派生品の利用は持続可能で気候中立的なモビリティーの実現において重要な要素で、他の代替動力を補完するもの。水素利用の拡大における現状の課題に鑑みると、国家水素評議会の評価と提言は今後も連邦交通省にとって重要である」とした。 ビジネス短信 12d2a9d1871c23f0 メンバーズ・サービスデスク(会員サービス班) E-mail:jmember@jetro.go.jp
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