サプライチェーン・デューデリジェンスとは|義務化の波と日本企業が今すぐ取るべき行動
サプライチェーン・デューデリジェンスの義務化の動きと日本企業が取るべき対応を解説
専門家の視点
サプライチェーン・デューデリジェンス(SCDD)の義務化が欧州を中心に加速する一方で、日本企業の実務対応は環境開示と人権尊重の二つの流れが混在したまま進んでいます。実体としては、EUのCS3D(コーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令)が2027年からの段階適用を予定し、対象企業にはサプライチェーン全体での環境・人権リスクの特定と是正が法的に求められます。しかし現時点で、日本企業の多くは開示フレームワークの整備に追われ、具体的な「是正行動」や「調達先との契約条件の見直し」といった実行レイヤーに手が届いていないのが実態です。ここに物語先行の構造が現れています。企業のサステナビリティ報告書や統合報告書では「SCDDに取り組む」という物語が並びますが、その裏で欧州規制が求める「リスクの実効的な軽減措置」と「時間軸を区切った改善計画」に対応できる社内人材や予算は十分ではありません。また、経団連などが示す「日本企業への影響は限定的」という前提は、サプライチェーン上の取引先企業の規制対象を軽視しており、結果的に実体の翻訳不足を生んでいます。