水素社会実現へ、支援強化を要請/東京、愛知など
東京都や愛知県など8都道県の知事らが首相官邸を訪れ、水素社会実現に向けた取り組み強化を求める要請書を提出した。
専門家の視点
水素社会実現に向けた首長連合の緊急声明は、実体と物語の間に明確なズレが生じている構造です。実体として、水素の製造コストは依然として高く、供給インフラや需要家の転換には膨大な投資と時間が必要です。GX経済移行債の枠組みも発行が始まったばかりで、具体的な執行メカニズムは未整備です。一方、物語として首長たちは「水素社会」というビジョンを前面に掲げ、国への支援拡充を求めますが、誰がどの規模で水素を消費し、いつコスト競争力を達成するのかという具体的な経路が示されていません。期待先行の構造です。市場や投資家は政府の水素戦略に注目しますが、実行レイヤーである自治体と産業界の間で役割分担が曖昧なまま、補助金獲得競争だけが先行するリスクがあります。隠れた前提は「水素が一律に脱炭素の解決策になる」という考え方です。実際には、水素の製造方法(グレー・ブルー・グリーン)や利用用途によってCO2削減効果は大きく異なります。支援強化の前に、どの水素を誰がどう使うかの優先順位と、非効率な補助金の排除という制度設計が不可欠です。次の観測点は、この声明が具体化する際の、需要創出策と供給側のコスト低減計画の整合性です。
東京都の小池百合子知事や愛知県の大村秀章知事らは5月29日、首相官邸を訪れ、8都道県知事3市長の連名で、水素社会の実現に向けた取り組みの強化を求める緊急声明を高市首相に手渡した。赤澤亮正経済産業相にも提出した。緊急声明を表明したのは、2都県知事のほか、北海道、福島県、兵庫県、福岡県、川崎市、名古屋市、福岡市の8都道県知事3市長。国に対し、GX経済移行債の水素・アンモニア施策への割り当ての拡充...
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