コンクリート廃材がCO2を吸収する「新技術」に、再生砕石の需要喚起狙う
コンクリート廃材がCO2を吸収する新技術の記事で、再生砕石の需要喚起を狙う内容。
専門家の視点
この記事は、コンクリート廃材を破砕した再生砕石のCO2吸収量を従来比2.3倍に高めた技術を紹介していますが、実質的な削減効果は限定的です。1トン当たり約19kgの吸収量は、セメント製造時の排出量(約800kg/トン)と比較すると極めて小さく、規模と効果のギャップが顕著です。また「従来の2倍以上」という比較基準は、ベースラインとなる一般的な再生砕石の吸収量が不明瞭であり、恣意的に選ばれた可能性があります。記事は「新技術」として国土交通省のNETIS登録を強調しますが、これは革新性の証明ではなく、公共工事での利用要件を満たしたに過ぎません。さらに「需要喚起狙う」という目的が語られますが、吸収量が小さいため、この技術単独で建設業界の脱炭素に大きく貢献できる保証はなく、目的と手段の倒置が懸念されます。省略された利害関係者としては、この再生砕石を実際に使用する施工業者や、CO2吸収効果をクレジット化する仕組みの不在が挙げられます。日本企業やGX人材は、個別技術のアピールポイントに惑わされず、ライフサイクル全体のCO2収支と実運用でのスケーラビリティを冷静に評価する視点が求められます。