企業動向

飯野海運、飯野ビルにグリーン水素設備

2026-06-19
飯野海運が飯野ビルにグリーン水素設備とエネルギーマネジメントシステムを導入し、蓄電池や水素製造設備、燃料電池の最適制御による効率的エネルギー運用を実現する

専門家の視点

飯野海運が自社ビルにグリーン水素設備を導入する発表は、技術実証としての意義は認められるものの、実質的な脱炭素効果は極めて限定的です。太陽光発電の余剰電力で水素を製造し燃料電池で再電化するプロセスは、エネルギー変換効率が低く、都心の高層ビル1棟の消費電力全体に占める割合は大きくないと推測されます。記事は「カーボンニュートラル技術の社会実装」という物語を強調していますが、具体的な水素製造量やCO2削減見込みの数値が記載されておらず、規模と効果のギャップが隠されています。また、東京都の補助金を活用した点は、支援制度ありきのプロジェクトであり、事業単独での経済性や再現性が不明瞭です。2030年度までのスコープ1・2排出量削減目標(13年度比75%減)の一部と位置づけていますが、今回の設備がその達成にどの程度寄与するのかは示されていません。時期的には2027年運用開始と先の話であり、現時点では計画段階の成果を先取りした感があります。読者は「グリーン水素=本格的な脱炭素手段」と期待しがちですが、実態は小規模実証に過ぎず、この事例だけで業界全体の方向性を評価するのは早計です。

環境・CSR飯野海運と高砂熱学工業(東京都新宿区)は18日、飯野海運が所有・運営する「飯野ビルディング」にグリーン水素製造・利用設備を導入する設計・施工契約を締結したと発表した。カーボンニュートラル技術の社会実装とBCP(事業継続計画)への活用を通じ、都心高層複合ビルの付加価値向上を図る。設備は2027年3月中旬から運用を開始する予定。 プロジェクトでは、飯野ビルディング屋上の既設太陽光発電設備で発電した電力を蓄電池に貯蔵し、水電解装置でグリーン水素を製造する。さらに燃料電池による発電を行い、平常時と非常時の双方で建物内の電力として活用する。あわせてエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入し、蓄電池や水素製造設備、燃料電池を最適制御することで効率的なエネルギー運用を実現する。 ▲システムフロー(クリックで拡大、出所:飯野海運) 設備導入には東京都の助成金制度「グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」を活用。高砂熱学は設備一式の設計・施工を担当し、今後詳細設計や機器製作、施工を進める。27年3月初旬の引き渡し後、同月中旬から運用を開始する計画だ。 飯野ビルディングは延床面積10万3827平方メートル、地上27階・地下5階の大型複合ビルで、オフィスや商業施設、ホール、カンファレンス機能を備える。 飯野海運は中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」(2026年4月-31年3月)で2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げている。不動産事業では、スコープ1(直接排出量)とスコープ2(エネルギー起源間接排出量)の温室効果ガス排出量総量を2030年度までに13年度比75%削減する目標を設定しており、今回の取り組みもその一環となる。 ■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。 ※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。 LOGISTICS TODAY編集部 メール:support@logi-today.com LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。 ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。 飯野海運、営業利益が3倍増、4-9月期 13/10/31 飯野海運、新本社ビルが竣工、10月移転 11/09/14 飯野海運、55億円調達、飯野ビル2期工事に30億 13/07/05 飯野海運・中間、外内航不振、減収減益 15/10/30 飯野海運、4-6月期、営業利益4倍増 13/07/31 宅配飲食、1兆円市場に利益23%減の影 26/06/19 鈴与グループ、RORO船転換で物流大賞奨励賞 26/06/19 アマゾン印、都市型FCを100か所超新設 26/06/19 特定技能コンソーシアム、支援機関部会始動 26/06/19 配合飼料を3700円値上げ、全農 26/06/19 シーバロジ、AIデータセンター建設物流を支援 26/06/19 ブレイズ、配送向け電動バイクを低価格販売 26/06/19 ヤマエ、ユニットバスのブレクスHDを子会社化 26/06/19 アマダ、板金機械の循環連携体制を構築 26/06/19 AVI-SPL、ボルボの自動運転トラックで商用輸送 26/06/19 オープンロジ、在庫設定をCSVで一括登録 26/06/19 SOMPOリスクとEcoVadis、SC強靱化で提携 26/06/19 UPS、AIで追跡・通関・計画業務を高度化 26/06/19 KDDIグループ、ドローン点群生成を自動化 26/06/19 DPワールド、カナダ東部港湾に低温拠点 26/06/19

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る