【国際】2026年のSAF生産量、航空燃料使用量の0.8%相当にとどまる見通し。IATA予測
IATAが2026年の世界のSAF生産量は航空燃料使用量の0.8%相当にとどまるとの見通しを発表。
専門家の視点
2026年のSAF生産量が航空燃料全体の0.8%にとどまるというIATAの予測は、実体と物語の間に大きなズレがあることを示しています。実体面では、SAFの生産拡大には原料調達の制約やコスト高、既存施設の転換の難しさといった物理的・経済的な壁が存在します。一方、各国政府や航空業界の物語は2030年や2050年に向けた野心的な目標を掲げており、そのビジョンと現実の生産量には開きがあります。この構造は典型的な「物語先走り」の状態です。見逃せない論点は、SAFの普及が「供給サイドの生産能力拡大」に依存している点です。需要サイドの航空会社が購入意欲を示しても、生産側の設備投資や技術確立が追いつかなければ、数字は動きません。制度面では、欧州のSAF混合義務など導入は先行していますが、執行に向けた生産拠点や人材、原料供給網の整備が追いついていないという非対称性があります。隠れた前提への問い直しとして、SAFが「唯一の脱炭素手段」とされている点を挙げます。実際には運航効率の向上や電動・水素航空機の開発など並行する経路があり、SAFの生産量が少ないからといって航空脱炭素が不可能になるわけではありません。