再エネ・技術

柏崎市で水素発電由来の電力供給開始 INPEXが実証試験を推進

2026-06-18
INPEXが新潟県柏崎市でブルー水素・アンモニアの一貫実証試験を進め、水素発電による電力供給を開始した。

専門家の視点

INPEXが柏崎市で開始した水素発電の実証事業は、国産天然ガス由来のブルー水素を製造し、CO₂を枯渇ガス田へ圧入する日本初の一貫プロジェクトとされています。しかし、報道からは具体的な発電出力やCO₂削減量の数値が示されておらず、投資対効果や環境影響の実質が不明瞭です。「日本初」という物語が先行し、水素・アンモニアの実用化という期待を強調する一方で、CCSの長期安全性やコスト競争力、電力供給先の需要規模といった課題は省略されています。実証期間は2026年9月までとしていますが、その後も自社事業として継続する計画であり、計画段階の意欲を現在の成果として語る時制の操作も見られます。地域新電力を通じた電力供給は主語が明確ですが、受益者は公共施設や民間事業者とされ、住民の負担や便益が語られていません。この実証は、規模と効果のギャップを埋めるには至っておらず、GX人材には、技術の物語性に左右されず、定量データと利害関係者全体の視点で評価する目が求められます。

株式会社INPEX(東京都港区)はこのほど、新潟県柏崎市で進める「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験(柏崎水素パーク)」において、水素発電による電力供給を開始したと発表した。 同社によると、この実証試験は、水素やアンモニアの製造から利用までを一貫して行う日本初のプロジェクト。利用時に二酸化炭素(CO₂)を排出しない水素・アンモニアの実用化に向けた取り組みとして進められている。 原料には、INPEXが長岡市で生産する南長岡ガス田の国産天然ガスを使用。製造工程で発生するCO₂は、柏崎市内の東柏崎ガス田平井地区の枯渇ガス田へ圧入し、大気中への排出を抑制する。 プレスリリースより今回開始した水素発電で得られた電力は、地域新電力会社の柏崎あい・あーるエナジー株式会社(新潟県柏崎市)を通じて、市内の公共施設や民間事業者へ供給される。 INPEXは、発電や電力供給を通じて運転データや知見を蓄積し、水素・アンモニアを活用した低炭素ソリューション事業の実現につなげる考えだ。 同実証試験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業として実施しているほか、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との共同研究も行っている。実証期間は2026年9月末までを予定しているが、その後も自社事業として運転を継続する計画としている。

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