制度・政策

社説/前進する原子力政策 安定収入確保できる環境整備を

2026-06-18
GX基本方針に基づく原子力政策の転換(新増設容認)と、安定収入確保のための制度整備の必要性を論じている。

専門家の視点

福島第一原発の事故後、長らく停滞していた日本の原子力政策が「GX基本方針」を契機に転換しました。この記事の構造は、物語先走りの典型です。政策の方向性は大きく舵を切ったものの、肝心の「安定収入を確保する具体的な制度設計」が未整備であり、実体が追いついていない状態を指摘しています。 隠れた前提は、「原発事業者が十分な経営体力とリスク負担意思を持つ」ことです。実際には、事故後の賠償責任や安全投資の増大で事業リスクは極めて高く、単に収入の安定化を図るだけでは新増設やリプレースの意思決定には至りません。誰が、どのような条件で、いつまでに実行するのかという実行レイヤーが欠落したまま、政策の大枠だけが先行している構図です。 産業界と投資家の期待はすでに動き始めており、この期待が実体を大幅に上回れば、市場のミスプライシングを招くリスクがあります。次に見るべき観測点は、収入確保の具体的な制度(例えば、容量市場や長期電源オークションの詳細)がどのタイミングで、どの程度のリスク負担を事業者に求める形で整備されるかです。

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