制度・政策

上場企業のGHG排出開示が義務化へ|SSBJ基準の全体像と2027年度準備ロードマップ

mirasus.jp 2026-06-17
上場企業のGHG排出開示が義務化され、SSBJ基準の全体像と2027年度に向けた準備ロードマップが示された

専門家の視点

SSBJ基準によるGHG排出開示義務化は、2027年度に向けた動きです。実体として、日本ではすでに有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示が段階的に進められており、SSBJは国際的なISSB基準との整合性を目指したものです。物語は「国際競争力の維持・投資家からの要請」というフレームで語られており、目標は明確ですが、開示に必要なScope3の算定やデータ収集体制の構築が中小企業を含むサプライチェーン全体で進むかは不透明です。ここに実体と物語のズレが生じます。期待のレイヤーでは、投資家や証券市場は先行して評価を始めていますが、開示を実行する上場企業の経理・サステナビリティ部門の人員やシステム整備はまだ途上です。制度導入のスピードに対して、実行レイヤーの人材・技術基盤が追いつかないという「制度・手続きの非対称性」が核心です。隠れた前提は「上場企業が単独でサプライチェーン全体のデータを強制できる」という点です。実際には調達先の中小企業の協力が不可欠であり、その負担と準備期間が軽視されています。この構造は、大企業と中小企業の間でGX対応の時間軸と能力に非対称性が存在することを示しています。

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