排出量算定

GHGプロトコル (2026年6月11日 No.3732)

keidanren.or.jp 2026-06-11
GHGプロトコルに関する2026年6月11日付の記事

専門家の視点

GHGプロトコルを巡る議論は、実体と物語の間に大きなズレが生じています。実体として、企業の温室効果ガス排出量算定の国際基準であるGHGプロトコルは、スコープ3(サプライチェーン全体)を含む包括的な枠組みを提供してきました。しかし、経団連が示す方向性は、この実体を無視した物語先走りの構造です。具体的には、スコープ3の算定負荷や国際競争力への影響を理由に、基準の緩和や独自解釈を主張しています。ここで隠れた前提は「日本企業の競争力維持が脱炭素より優先されるべき」という点です。しかし、実体として海外投資家やESG評価機関はGHGプロトコル準拠を求め続けており、日本の物語が市場の期待と乖離しています。実行レイヤーの欠落も深刻で、経団連の提言には「誰がどのように算定負荷を軽減するのか」という具体策が乏しい。時間軸で見ると、GHGプロトコルの改訂作業は2025年以降に本格化し、日本が独自路線を取れば国際的な信認を失うリスクがあります。次の観測点は、経団連がこの物語をいつ修正し、実体である国際基準との整合性を図るかです。

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