再エネ・技術

天然ガス投資、10年ぶり高水準の52兆円 エネルギー安保で拡大

日経BP 2026-06-15
2024年の世界の天然ガス上流・LNG投資が10年ぶり高水準の52兆円となり、エネルギー安全保障を背景に拡大している動きを報じる。

専門家の視点

2024年の世界の天然ガス上流・LNG投資が52兆円と10年ぶりの高水準に達したという事実は、地政学リスクと脱炭素圧力が同時に存在する現実を映しています。実体として、エネルギー安全保障の優先順位が上昇し、中東やロシアへの依存低減を目的とした長期的なガス供給契約やインフラ投資が加速しています。しかし、この投資のピークがいつかは不明であり、2030年以降の需要減退リスクと投資の回収期間が矛盾する可能性をはらんでいます。 物語としては「エネルギー安保のための必要投資」と明確にフレーミングされていますが、パリ協定やネットゼロ目標との整合性についての検証が不足しています。特に、これらの投資が「移行燃料」として位置づけられ、将来の炭素回収や水素転換を前提とする場合、技術的・コスト的な実現性が不透明です。期待の面では、政府と企業が短期的な安定供給を優先し、投資家や環境団体からは気候目標との乖離を懸念する声が強まる構図です。 ここでの核心的なズレは「物語先走り」の構造です。エネルギー安全保障という物語が、中長期的な脱炭素目標や資産座礁リスクという実体を覆い隠しています。

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