ISSB、人的資本開示の調査を継続――投資家ニーズや実務課題を検証
ISSBが人的資本開示について投資家ニーズや実務課題を検証する調査を継続している
専門家の視点
ISSBが人的資本開示の調査を継続する背景には、投資家からの「情報不足」という声が根強くあるという現実があります。ここでの実体は、人的資本に関する測定や開示の基準がまだ確立されておらず、企業ごとに開示内容がバラバラであることです。物語としては、投資家のニーズに応えるために調査を進めるという説明ですが、肝心の「何を開示すれば投資判断に役立つのか」という具体的なKPIの提示や、失敗事例の扱いについてはまだ明確ではありません。期待の面では、基準策定を待つ投資家や企業の間で先行き不透明感が広がり、実際の開示改善が進まない可能性が潜んでいます。 この構造は「物語と実体のズレ」が中心です。開示の重要性を説く物語は広がっているものの、実務で使える基準や計測手法の整備が追いついていません。特に、人的資本の価値を財務数値とどう結びつけるかという根本的な課題が置き去りにされがちである点が気になります。次の観測点は、この調査結果が2025年以降に実際の開示基準に落とし込まれるかどうかです。