三菱電機「海からCO2を回収」する技術を開発。脱炭素は“コスト”ではない…収益化の鍵握るビジネスモデル - Business Insider Japan
三菱電機が海からのCO2回収技術を開発し、脱炭素の収益化モデルを模索する動きを報じている。
専門家の視点
三菱電機が「海からのCO2回収技術」を開発したという発表は、実体(技術の成熟度や実証段階)と物語(「脱炭素はコストではない」という言説)の間に大きなズレがあります。技術そのものは測定可能な事実として存在しますが、そのコスト構造やスケールメリット、回収したCO2の活用先(収益化の具体像)が示されていないため、物語が先走っている印象です。記事は「海からのDAC(直接空気回収)」をビジネスモデルとして語りますが、現時点ではエネルギー消費量やCO2の貯留・利用先、競合技術との比較といった実体の部分が翻訳されていません。 また、「収益化の鍵を握るビジネスモデル」という期待先行のフレームには、回収したCO2を誰がどの価格で買うのか、という需要サイドの実行レイヤーが欠落しています。海からの回収は陸上DACより技術的に難易度が高いとされ、実証段階から商用化までには時間軸で見て5〜10年かかることが前提です。この記事が当然としている「技術ができれば市場がついてくる」という隠れた前提を問い直す必要があります。CO2回収技術の収益化には、カーボンクレジット市場の制度設計や排出量取引価格の安定が不可避です。